| けっこう低い(身長の話) | |
| ※南倉です 宿題の為の資料を探しに図書室に来ていた倉間は、そこで偶然南沢と会った。 目的の本が見つからず、本棚の間をウロチョロしていたところに出くわしたのだ。 「手伝ってやるよ」 自分の用事は済んだらしい南沢は、どういう風の吹き回しか、倉間を手伝うと言い出した。 棚の両側に別れ、端から本棚を辿っていくと、目当ての本を見つけた。ちょうど真ん中あたりで、見つけたのもほぼ二人同時だった。 が。 見つかったのは良いのだが、その本が収まっている位置が問題だった。 かなり高い棚にある。どうやっても倉間の身長じゃ届かない。踏み台を持ってきたところで届くかどうか。 そう思って隣にいる南沢をチラリと伺うが、多分無理だ。この人も、そう大きなわけじゃない。 図書委員か、司書の先生を呼んで取ってもらうしかないか、そう倉間が考えていると。 「ちょっと待ってろ」 南沢が言った。 そう言うから、台を持ってくるのかと思ったら、いきなりケータイを取り出して、ボタンを押し始める。 どうやらメールを打っているらしい。 ・・・まさかな。 メールの送り先を予想してみて、浮かんだ考えを否定する。 だって。 でも。 いや、この人ならあり得る。 そんなことを考えながら待つこと数分。 その人はやって来た。 「南沢?・・・何だ、倉間も一緒なのか」 そこに現れたのは三国だった。 「急な用事ってあったけど、どうしたんだ?」 「あぁ、そこの棚の本取ってくれ」 「・・・・・・は?」 思わず目が点の三国。 そりゃそうだよ。 わざわざ図書室に呼び出されて、その要件が「棚にある本を取れ」だとは思わないし。 「お前なぁ、そんなことで俺を呼び出すなよ」 「悪かった」 それでも、ちゃんと本を取ってくれる三国。親切だ。 全然悪かったと思ってない感じで、しれっと謝ると、三国から受け取った本を「ほら」と言って、そのまま倉間に手渡す。 が、受け取った側はそれどころではない。 倉間が読みたかった本を取るためだけに、三国は図書室まで呼び出されてしまったわけだから。 「ぁぁあありがとうゴザイマス。スミマセンでした」 「気にするな」 一人っ子のくせに―――いや、むしろ一人っ子だからこそなのか、三国は年下にはとても寛大だった。 本を手に恐縮しまくってる倉間に、「宿題か、頑張れよ」なんて笑顔で言ってくれる。 良かった、三国さんがおおらかな人で。 用件が済むとそのまま図書室を去る三国を、申し訳ない気持ちいっぱいで見送ってから、倉間はカウンターに言って本を借りる手続きを済ませた。 そして、なぜか手続きが終わるまで倉間を待っていた南沢と一緒に、図書室を後にする。 「悪かったな」 並んで廊下を歩いていると、突然南沢が口を開いた。 ・・・・・・・・・え? この人、今謝った?? 人の弁当箱から好物のおかずを取ろうが、飲みかけのジュースを『一口くれ』と言って全部飲んでしまおうが、待ち合わせの時間に15分遅れて来ようが、大切な試合でシュートを外そうが、決して謝ることのない南沢さんが!!??? しかも何に対する謝罪なのかちっとも分からない。 三国さんにならともかく、なぜこのタイミングで倉間に謝るのか。 「あの・・・」 「本棚に届かなくて」 「は?いや、それは別にいいですけど・・・」 倉間だって届かなかったし、あの高さだと浜野や神童でも、はたして届いていたかどうか。 っていうか、え?そこなの?? 他にもっと謝ることがあるんじゃないか? 何このヒト。 前世で高いところに手が届かなくて死んだとかじゃないよな。 そんな事を思ってしまう倉間だった。 ++++++++++++ 好物のおかず取るのも、ジュースを全部飲んでしまうのも、相手が倉間だからだよ。 待ち合わせは、来てたけど南沢を待ってヤキモキする倉間を影から見ていたんだよ。 15分もね! まぁそんなわけで・・・何コレ? 全然南倉じゃないですね。 精進します。 |
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