円堂×





 忘れ物を取りに一人サッカー棟へ戻ってきた拓人は、部室の中に人の気配を感じ、一瞬その足を止めた。
 部室に二人きりとか、最近良くないことばかり身に起きてるので、つい警戒してしまう拓人だった。
 が、中に居たのは円堂監督だったのでホッとする。これが天馬か剣城だったら、ソッコー回れ右して帰るところだ。

「神童か。遅くまでご苦労さん」

 こちらを振り向きニカッと笑う円堂に、こんな時間に何をしていたのかと思い、隣に立つ。
 円堂の目の前には、壁に貼られたホーリーロードの告知ポスター。

「俺たちの時は、フットボールフロンティアっていって、その時も壁にこうやって、ポスター貼ってたな」

「そうなんですか」

 数年前まで、記念に残してあるサッカー部部室の壁に、そのポスターが貼ってあったらしいのだが、劣化するからと外されてしまった。
 拓人が目にしたのは、日焼けして周囲と色が変わった、壁のポスター跡だけだ。


「ところで神童」

「はい?」

「ちょっと抱っこしてもいいか?」

「・・・・・・は?」

「できればコレで」

 コレ、と言いながら、円堂監督は両手を前に出し、何かを持ち上げるようなジェスチャーをとる。
 そう、いわゆるお姫様抱っこというやつだ。

「イヤですよ。っていうか、なぜ・・・??」

「久遠監督が『神童を抱き上げた時、あまりにも軽くて驚いた。今時の中学生はあんなに軽いものなのか』って言ってたから、そんなに軽いもんなのかと思って」

「そ、そんなこと・・・」

 円堂監督に何話しちゃってるんですか、久遠監督。っていうか、え?軽い?抱き上げた?何それどうゆうこと?いつ?どこで?

「記憶にないのですが」

 全く身に覚えのない拓人、呆然と円堂を見上げる。

「えーと、初めて化身出したときって言ってたけど」

 記憶をさかのぼる。
 初めて化身を出現させたのは、そう、剣城が黒の騎士団を引き連れて、雷門サッカー部に殴り込んで来たときだ。
 実は化身を出現させた時の記憶が曖昧で、気が付いたら保健室のベッドで寝ていて。
 目が覚めたとき、すぐそばに霧野がいただけで、特に気にとめていなかったが、よくよく考えてみれば、似たような体格の霧野が、拓人を運んだとは思えない。

 とすると、久遠が保健室まで拓人を運んだのか。
 お姫様抱っこで??


「き、霧野に確認してみます」

 事情を知っている霧野(ホントは、サッカー部全員、その光景を目撃してるんだけどね)に、事の次第を確認しようと慌てて踵を返す拓人だが、相当動揺していたのだろう、段差に足をとられ、ころんでしまった。

「おっと」

 咄嗟に拓人を抱き留める円堂。後ろに倒れかかった身体を難なく支えてしまう。
 さすがはGK。反射神経も腕力も素晴らしい。

「す、すみません」

「いや。けど・・・やっぱ軽いな、神童」

「べつに平均です。それに、オレが体重軽いからって、周りに迷惑かかるわけじゃないし」

「いや、まぁ迷惑はかからないけど。でも、サッカーでフィジカルは大切だぞ」

「だから、別に平均的・・・っていうか、円堂監督だって、中学生の時はこんなもんだったでしょ!?」

「え〜、そうかぁ?」

 というと円堂、片手で拓人の身体をホールドすると、空いているもう片方の手で、腕やら脇腹やらをムニムニと触ってくる。

「□%◎▽○※〜〜〜!!!!!」

「俺が中学の時は、もっと筋肉あったと思うぞ」

 すると今度はフトモモに。形を確かめるようにナデナデとその手を動かす。

「わかりましたゴメンナサイもっと筋肉付けます・・・・っていうか、いつまで触ってるんですかっ!!!!」

「いや〜、悪い悪い。つい・・・」

「つい!?つい何ですか!!」

「触り心地が良くて」

「!!???」

 そう言うと、再び脇腹をなでさする円堂だったが、先ほど円堂の放った言葉にショックを受けた拓人は、それどころではなかった。

 触り心地がイイって?オレそんなに柔らかいか??何それ、ぜい肉??え、オレそんなに無駄な肉ついてるのか!!???














 で、その後。

 拓人は無理なダイエットを敢行しようとしたが、霧野に「それ以上痩せてどうすんだ」と涙ながらに説得され、しぶしぶそれを諦めるのだった。






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 セクハラ円堂。

 やべ、これ書いてるとき超〜vv楽しかった!!
 神童はもっとセクハラされちゃえばいい!

企画第二弾『アミダ×神童企画』をお届けします。

ぷりんちゅ』のみに。ちゃんと合同の、「アミダで決めた相手と神童をイチャコラさせちゃおうぜ!!」という企画です。
つまり、1週間に1作品、良く分からない相手×神童が更新されていく予定です。

私が引いた一人目の相手は、円堂でした〜!

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