| 笑顔の朝 | |
「・・・という訳で、天馬くんを見習って、前向きになろうと思ったわけです」 「そうか。頑張れよ」 最近変わったんじゃない? つい最近、速水が言われるようになった言葉だ。 朝の挨拶を交わした後、そんな事を言われた速水は『好きな人が誰か』という部分を抜いて、前向きになろうと思ったいきさつを説明してのだ。 これが毎日天馬に言い寄られている神童なら「天馬を見本にするなんて、相手に迷惑なだけだからやめてほうがいい」と諭しただろうし、倉間なら「バカなこと言ってんな」と一刀両断したに違いない。 が、速水が説明したのはサッカー部の真心、三国先輩だった。 三国先輩の激励を受け、今日も頑張ってポジティブを目指す速水だった。 ++++++++++++++++++++++++++ 「おはようございます、神童くん」 「おはよう、速水」 「おはようございます、三国さん」 「あぁ。おはよう、速水」 「速水センパイ、おはようございます!!」 「おはようございます、天馬くん」 そうそう。 天馬を見習って『元気に明るく挨拶する』というのを目的に頑張っている速水だが、肝心の好きな人を前にすると、どもってしまったり声が小さくなってしまったりで、いまいちうまくいかない。 そこで考えたのがこれだった。 つまり、みんなに笑顔で挨拶すればいいんだ。 そのうち、きっと自然に笑顔で挨拶できるようになるハズ。 んで、まぁ。 笑顔で挨拶すれば、周囲も笑顔で返してくれるものである。 「おっはよ、速水!」 「おはようございます、浜野くん」 皆と笑顔で挨拶を交わし、そして最近では浜野の前でも照れずに言葉を交わせるようになった速水。 朝の空気のように、速水の浮かべる笑顔も爽やかだ。 そして、そんな速水を見る浜野もの自然と笑顔になる。 「なんか最近の速水、イイ感じゃね?」 「え、そうですか?」 「うん、すごく」 「あ・・・アリガトウゴザイマス」 嬉しいかも、スゴく。 ものすごく嬉しいのだが、言葉が詰まって、うまくお礼が言えない。 ここで思わず俯いて視線を逸らせてしまうのが、速水の速水たる所以なのだろう。 だから気が付かなかった。 俯いて照れる速水を、にこにことものすごく嬉しそうな顔で見ている浜野に。 |
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| 企画第一弾『ポジティブキャンペーン』をお届けします。 『ぷりんちゅ』のみに。ちゃんと合同の、「普段ネガティブな速水が、1週間に1度ポジティブになっちゃうぜ!!」という企画です。 つまり、1週間に1作品、速水中心に更新されていく予定です。 第二話です。 ちょっと浜野×速水っぽくなったでしょうか? |
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